2020.11.16 01:59死はちかいか臆病で今日また自死を選べないわたしの町に春雨が降る鬱々と布団のなかで生きているそれでも命かけがえがないほんとうに命はすべて平等かわからないまま人生をゆく見わたせば生死はいつも強欲でないものねだりきみもわたしも
2020.11.16 01:55死はとおいか果てのないさみしさだからもう厭いてきみの故郷の海へばらまく流れつくボトルのようにいつの日かぼくのきもちを拾っておくれつまさきが濡れるていどに波に触れ引き返すのはきっとただしいうつくしい死にざまなんかありはせずきみをわすれて街に帰る日
2020.11.16 01:52カレーをつくるじゃがいもの芽をえぐるたび手加減ができないわたし恋もおんなじ嫌われて平気なほどに強くないにんじんだってきっとそうでしょ泣かせても知らん顔するたまねぎを炒めたあとの甘さはずるいカレーにはとけるチーズをトッピングあなたの家はどうか気になる
2020.11.16 01:48かえれないふたりあの星にいつか還ると指さしたきみを憐れみ夜は更けゆくおとなってちゃんとしているものでしょう心は子どもだからこじらすひからびたスイーツみたいわたしたち見向きもされず透明になるあの星はすでに爆発したのかもきみのふるさとからのさよなら